この記事の要点
- 画面の表記AS(攻撃速度)は、内部では60FPS基準の「攻撃間隔フレーム」に整数切り捨てで変換される。ASを0.1上げても、フレームが1つ短くなるブレークポイント(閾値)を跨ぐまで実測DPSは1%も増えない。
- 高AS帯では1フレーム短縮の相対価値が跳ね上がる。10F→9Fで+11.1%、9F→8Fで+12.5%、6F→5Fで+20.0%、5F→4Fで+25.0%。スキル発動トリガー込みでは実測DPSが1.3倍以上変わる。
- Ver 1.02.00で全武器種の高グレードASが改定された。弓だけ下方修正(コズミック4.10→2.80)、剣・クロスボウ・斧・セプター・杖は+45%〜+65%の大幅上方修正。装備選びの前提が変わっている。
- 結論として、ASは「盛れるだけ盛る」のではなく、必要AS = 60 ÷ 目標フレームで逆算し、次の閾値ちょうどを狙って装備・ルーンを組むのが正解。
1. なぜ表記ASを上げても実測DPSが増えないのか
結論ASは単に数値を上げるのではなく、攻撃間隔フレームが短縮される閾値への到達を意識して装備を調整する。
1-1. 内部処理は「秒間攻撃回数」ではなく「フレーム」で回っている
Task Bar Hero(TBH)の戦闘は60FPS基準で進行し、キャラクターの攻撃は「次の攻撃まで何フレーム待つか」という整数のカウントダウンで管理されています。ここが本作のDPS計算で最も見落とされるポイントです。
表記ASは「1秒あたりの攻撃回数」を示す小数値ですが、内部では次の式で攻撃間隔フレームFに変換されます。
つまりAS 2.10でも2.19でも、60 ÷ 2.10 = 28.57と 60 ÷ 2.19 = 27.39はどちらも「28フレーム」に丸められる場合があり、実際の攻撃回数は同じになります。表記上はASが上がっているのに、敵のHPバーが減る速度が変わらない——これが「ASを盛ったのに強くなった気がしない」现象の正体です。
1-2. 「切り捨て」が生む無駄なAS帯
重要なのは、ASには効果を発揮しない“死に帯”が存在するという点です。フレームFが1つ短くなる瞬間のASを「ブレークポイント」と呼び、そこを跨いだときだけ実測攻撃回数が増えます。
たとえば28Fから27Fに短縮される閾値は 60 ÷ 27 = 2.222。AS 2.10から2.22未満までは、どれだけ数値を積んでも28Fのままで、DPSは1ミリも伸びません。逆に言えば、次の閾値まであと0.02しかないなら、そこまで盛る価値は非常に高い。ASの最適化とは「数値を上げる」ことではなく「閾値に座る」ことです。
2. フレーム数の仕組みとブレークポイント早見表
結論装備を組む際は早見表の必要ASを目標値とし、攻撃間隔フレームが短縮する数値を狙って調整する。
2-1. 攻撃間隔フレーム別・必要AS&DPS上昇率 早見表
以下の表は、各フレームに到達するための最低必要AS(= 60 ÷ F)と、1フレーム短縮したときの実測DPS上昇率をまとめたものです。装備を組む際はこの表の「必要AS」を目標値にしてください。
数値データの表を見る(12行)
| 攻撃間隔(F) | 必要AS(60÷F) | 実測秒間攻撃回数 | 1F短縮時のDPS上昇 | 到達難易度 |
|---|---|---|---|---|
| 15F | 4.00 | 4.00回/秒 | (基準) | 超高 |
| 14F | 4.29 | 4.29回/秒 | +7.1% | 超高 |
| 13F | 4.62 | 4.62回/秒 | +7.7% | 超高 |
| 12F | 5.00 | 5.00回/秒 | +8.3% | 超高 |
| 11F | 5.45 | 5.45回/秒 | +9.1% | 高 |
| 10F | 6.00 | 6.00回/秒 | +10.0% | 高 |
| 9F | 6.67 | 6.67回/秒 | +11.1% | 高 |
| 8F | 7.50 | 7.50回/秒 | +12.5% | 中〜高 |
| 7F | 8.57 | 8.57回/秒 | +14.3% | 中 |
| 6F | 10.00 | 10.00回/秒 | +16.7% | 中 |
| 5F | 12.00 | 12.00回/秒 | +20.0% | 低〜中 |
| 4F | 15.00 | 15.00回/秒 | +25.0% | 低(理論値) |
※「到達難易度」は当Wiki検証環境(Lv90 Type C装備+ルーン込み)での主観指標。実際の上限はパーティ編成・バフ・スキル倍率で変動します。
2-2. 具体例:弓(レンジャー)の高グレードASと実フレーム
Ver 1.02.00改定後の弓のASを、上記の式に当てはめた実測換算表がこちらです。
| 弓のグレード | 表記AS(改定後) | 攻撃間隔F(切り捨て) | 実測秒間攻撃回数 | 旧AS(改定前) | 旧フレーム |
|---|---|---|---|---|---|
| セレスティアル | 2.10 | 28F | 2.14回/秒 | 2.60 | 23F |
| ディヴァイン | 2.40 | 25F | 2.40回/秒 | 3.35 | 17F |
| コズミック | 2.80 | 21F | 2.86回/秒 | 4.10 | 14F |
改定前のコズミック弓は14F(4.29回/秒相当)でしたが、改定後は21F(2.86回/秒)となり、素の攻撃回数は約33%減しました。しかし、ここで終わらないのが本記事の本題です。フレームが大きい(=攻撃が遅い)領域では、1フレーム短縮あたりの上昇率が相対的に小さく、逆に高AS帯では1フレームの重みが激増するという非対称性があります。
3. 高AS帯で1フレーム短縮するごとにDPSが跳ね上がる理由
結論攻撃回数トリガーのスキルを扱う際は、通常攻撃とスキルの回転率を同時に高めるため高AS帯の閾値到達を優先する。
3-1. 「1フレーム」の相対価値はASが高いほど大きい
1フレーム短縮の効果を、低AS帯と高AS帯で比較してみましょう。
数値データの表を見る(7行)
| 遷移 | 秒間攻撃回数の変化 | DPS上昇率 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 30F → 29F | 2.00 → 2.07回/秒 | +3.4% | 低AS帯。ほぼ体感できない |
| 20F → 19F | 3.00 → 3.16回/秒 | +5.3% | 中AS帯。誤差レベル |
| 10F → 9F | 6.00 → 6.67回/秒 | +11.1% | 高AS帯。明確に体感可能 |
| 9F → 8F | 6.67 → 7.50回/秒 | +12.5% | 高AS帯。周回速度が変わる |
| 8F → 7F | 7.50 → 8.57回/秒 | +14.3% | 高AS帯。ボスキル回転が変わる |
| 6F → 5F | 10.00 → 12.00回/秒 | +20.0% | 超高AS帯。別ゲーになる |
| 5F → 4F | 12.00 → 15.00回/秒 | +25.0% | 理論限界域。1Fの価値が最大 |
この表が示すのは、同じ「1フレーム」でも30F→29Fでは+3.4%しかないのに対し、5F→4Fでは+25.0%になるという事実です。分母が小さくなるほど1フレームの相対比率が上がる、単純な算数の帰結ですが、これが「高AS帯でDPSが1.3倍変わる」と言われる所以です。
3-2. スキル発動トリガー込みなら「1.3倍」は現実の数値
TBHのスキルには「通常攻撃N回ごとに発動」「攻撃ヒット時に確率で発動」という攻撃回数トリガーのものが多数あります。たとえば「攻撃5回ごとに矢の雨」というスキルなら、攻撃回数が6.00回/秒から7.50回/秒(8F)に増えるだけで、スキル発動回数も25%増える計算です。
通常攻撃DPSの上昇(+12.5%)に、スキルトリガーの発動回数上昇(+25%)が乗算で効くため、総合DPSは1.2〜1.3倍に達します。これが「ASブレークポイントを跨ぐだけで周回タイムが1段階変わる」理由です。
3-3. ASが乗算で効く3つの要素
- 通常攻撃DPS:フレーム短縮そのもの。
- スキル発動頻度:攻撃回数トリガー型スキルの回転率。
- 状態異常の更新頻度:出血・毒・冷却などのスタック維持。
この3つが同時に伸びるため、ASは他のステータス(攻撃力・会心率)と違い、閾値を跨いだ瞬間に階段状にDPSが跳ねるという独特の挙動を示します。
4. Ver 1.02.00 全武器種 攻撃速度改定データ一覧
結論改定後の攻撃間隔フレームを確認し、弓の閾値管理を重視しつつ、上方修正された他武器種は通常攻撃を活かす構成にする。
4-1. 武器種別・高グレードAS改定一覧
Ver 1.02.00(2026年9月8日配信)で、全武器種のアルカナ〜コズミック帯の攻撃速度が大きく調整されました。以下が公式パッチノートおよび実測に基づく改定データです。
数値データの表を見る(8行)
| 武器種(クラス) | グレード | 改定前AS | 改定後AS | 変化率 | 改定後フレーム | 実測秒間回数 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 弓(レンジャー) | セレスティアル | 2.60 | 2.10 | -19.2% | 28F | 2.14回/秒 |
| 弓(レンジャー) | ディヴァイン | 3.35 | 2.40 | -28.4% | 25F | 2.40回/秒 |
| 弓(レンジャー) | コズミック | 4.10 | 2.80 | -31.7% | 21F | 2.86回/秒 |
| 剣(ナイト) | コズミック | 1.53 | 2.24 | +46.4% | 26F | 2.31回/秒 |
| クロスボウ(ハンター) | コズミック | 1.10 | 1.81 | +64.5% | 33F | 1.82回/秒 |
| 斧(スレイヤー) | コズミック | 1.10 | 1.81 | +64.5% | 33F | 1.82回/秒 |
| セプター(プリースト) | コズミック | 1.30 | 1.88 | +44.6% | 31F | 1.94回/秒 |
| 杖(ソーサラー) | コズミック | 0.95 | 1.40 | +47.4% | 42F | 1.43回/秒 |
※弓のみ下方修正、他5武器種はアルカナ〜コズミック帯すべてが+45%〜+65%の大幅上方修正。特にクロスボウと斧の+64.5%は全武器種中最大の伸び幅です。
4-2. この改定がビルドに与える影響
弓(レンジャー)は依然として全武器種中最速ですが、旧環境のような「他職を置き去りにする大きな乖離」は解消されました。コズミック弓の21Fは、他武器の26〜42Fと比較してなお最速クラスですが、フレームの絶対値が大きくなったことで、1フレーム短縮の相対価値はむしろ上がっています。つまりレンジャー使いは今後、ASの閾値管理がより重要になります。
クロスボウ(ハンター)と斧(スレイヤー)は+64.5%という大幅強化により、33F(1.82回/秒)まで到達。単体DPS特化のハンター、範囲殲滅のスレイヤーが、これまで「ASが伸びず通常攻撃がおまけ」だった状態から、通常攻撃もDPSソースとして数えられる環境に変わりました。
杖(ソーサラー)は42Fと最も遅いものの、+47.4%の強化で1.43回/秒まで改善。ソーサラーはスキル回転が主軸のため、通常攻撃の改善は「攻撃回数トリガー系スキル」の恩恵として現れます。
詳細データ・補足検証を開く(クリックで展開)
計算式の厳密な定義と検証前提
本記事のフレーム計算は、以下の前提に基づいています。
- ゲーム内戦闘は60FPS固定。攻撃間隔は「次の攻撃までのフレーム数」で管理。
F = floor(60 ÷ AS)(小数点以下切り捨て、下限1)。ただしクライアント内部で「切り上げ」が使われている可能性も完全には否定できず、当Wikiの実測(攻撃モーション開始から次のモーション開始までのフレームキャプチャ)では切り捨て挙動と一致しました。- 実測秒間攻撃回数 = 60 ÷ F。AS表記値そのものではありません。
ブレークポイント逆算の実用例
「コズミック弓(AS 2.80 / 21F)」から20Fに短縮するために必要なASは 60 ÷ 20 = 3.00。つまりASを+0.20盛れば20F(3.00回/秒)に到達し、DPSは+5.0%上昇します。さらに19Fを狙うなら 60 ÷ 19 = 3.158が必要で、+0.158の追加投資で+5.3%。閾値付近では少ない投資で大きなリターンが得られることが分かります。
スキルトリガー込みDPSの試算例
仮に「通常攻撃5回ごとにスキル発動(スキルDPS = 通常攻撃の2倍)」というビルドの場合:
- 10F(6.00回/秒):スキル1.20回/秒 → 総DPS = 6.00 + 1.20×2 = 8.40
- 9F(6.67回/秒):スキル1.33回/秒 → 総DPS = 6.67 + 1.33×2 = 9.33(+11.1%)
- 8F(7.50回/秒):スキル1.50回/秒 → 総DPS = 7.50 + 1.50×2 = 10.50(+12.5%)
通常攻撃とスキルが同じ比率で伸びるため、総DPS上昇率は通常攻撃の上昇率と一致します。しかし「スキル発動時にバフが更新される」「スキルヒットで追加DoTが乗る」などスキル側に追加効果がある場合は、この限りではありません。
注意点
- Ver 1.02.00の数値は公式パッチノート記載値。実測フレームは当Wikiの検証環境(Lv90・特定ルーン構成)での値であり、ルーンやバフでASが変動すればフレームも変わります。
- 疫病地帯(Plaguelands)などVer 1.3.0以降の新要素では、元素耐性ペナルティや疫病変異モンスターの存在により、ASを盛るだけでは生存できない場面があります。高疫病強度では耐久とのバランスが重要です。
- マーケット価格・装備相場は2026年10月25日時点のデータです。パッチやイベントで変動するため、最新の相場は都度確認してください。
5. まとめ:ASは「閾値に座らせる」が正解
- 表記ASは内部フレームに整数切り捨てされるため、閾値を跨ぐまでDPSは変わらない。
- 高AS帯ほど1フレームの相対価値が上がり、10F→9Fで+11.1%、5F→4Fで+25.0%。スキルトリガー込みで1.3倍も現実的。
- Ver 1.02.00で弓は下方修正、他5武器は+45〜65%上方修正。装備選びの前提が変わった。
- 装備を組むときは、必要AS = 60 ÷ 目標フレームで逆算し、次の閾値ちょうどを狙う。これがDPSを1.3倍変える最短ルートです。
次の記事では、実際のLv90 Type C装備(エターナルボウC・アビスアミュレットCなど)を使った到達可能フレーム別の最適ビルド比較を検証します。
